[A]シェイクスピアと遊ぼう - 報告
Posted on 5 月 18, 2007
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A講座ドキュメント by 山南純平
昨年の「プレ演劇大学」にひきつづき、歌ってオドル「流山児講座」が三日間開催された。2007年の「演劇大学in熊本」オープニングである。受講生は21名+スタッフ3名~5名、最終日の発表会では見学者が数十名加わり質的にも濃いスタートを切った。「大学」という固い印象も、関わってしまうと「大楽」を実感できるものと言えます。
「演劇の楽道」を! その幕は切って落とされた。さぁ、ハジマリ、ハジマリィ!(拍子木の音)
5月11日(金)
講師の流山児祥さんと小林七緒さんが熊本空港に到着されたのが午後1時。流山児さんはTKUテレビ局の「夜はホンネで!」収録へ行く。スポンサーが焼酎会社の為、料理屋で酒と美味しいものを食べながらのトーク番組。酔っ払って講座を開始するのではないか、と心配する声も囁かれたが、心配ご無用。足取りもしっかり収録後、県劇に来られる。・・・その間、七緒さん、咲希、田中、村上たちと講座の準備に取り掛かる。
午後6時よりぼちぼちと受講生の方が集まってくる。地元からは劇団きらら、熊本大学(演劇部)、第七、夢桟敷や熊本学園大学の先生など一般の方。県外では埼玉県、福岡県の方も来られた。 午後7時きっちりスタートする。いよいよ「演劇大学」が開校した。
今回の参加者は昨年から引き続きの受講生が半数近くに及んだ。新しい受講生も演劇の経験者が大半に及んでいる。初体験の方は緊張と不安が高まっていたかも知れない。しかし、そこは流山児さんの「自由に!何でもあり!」の独特な演劇世界の説明に皆さんはホッとした空気が流れる。
テキストはシェークスピアの「夏の夜の夢」。時間的に全編を通すことは不可能な為、あらかじめ構成された短編をコピーして渡した。これを三班に分けて三部構成(約一時間弱)の劇にして二日後には発表する、という強行で押し切るのである。ホッとした空気に再び緊張感が走る。
受講生の皆さんは「台詞が覚えられるだろうか?」と頭の中がいっぱいになっている。今回は演出希望の方が5人手を上げており、こちらも形にしていくプランや構成で頭を抱えていた。しかし、「楽しむ」演劇には変わりない。これも計算通りなのである。自己紹介→台本読み→歌(2曲)の稽古。3時間弱でやる。
軽いつもりで「近くの居酒屋で一杯。」を誘うと、ほぼ全員が参加。まるで「打ち上げ」の様相になっている。今日、始まったばかりなのに、何だ!この場で出来上がった気分になった。お開きが夜中の一時である。流山児さんと七緒さんには、結局、6時間の講座をやってもらったことになる。
5月12日(土)
朝8時半にホテルへ迎えに行く。朝ごはんも食べずに県立劇場へ拉致するように!・・・お二人(講師)とも睡眠は足りてない筈。県劇に監禁しているようで心苦しい。朝9時より講座のスタート。木内さんは衣装や楽器をグループの為に持参してきた。三班共に各部屋に分かれて稽古に入る。私は18日からの講座の動員を図るために県劇を出たり入ったりした。
午後からの稽古を覗くと、ほぼ形が見えるようになっていた。すごいスピードである。疾走する。風が吹いている。涙がちぎれそうな程に面白い劇になりそうだ。全力疾走劇。学園大学の先生の筋肉は大丈夫だろうか。埼玉から受講された方の表情がはちきれている。福岡の方は筋肉タレントと化した。香西佳耶が空を跳ぶ。それを受ける亀ちゃん(第七の主宰者)が取りこぼす。事件だ。演劇は事件である。みんな人が変わったようになっている。演出の村上精一がテンパッテ居る。余裕のある者は一人もいない。この状態が全体の空気を面白くしている。坂本咲希はこの講座の完全なる担当スタッフとして客観的に記録しているが、こういう経験はできるものではない。スタッフとしても貴重な体験をしているのである。
夜の稽古で歌とオドリの振り付けに入る。信じられないが、二日目にして通し稽古なのだ。
これは奇跡。県立劇場で奇跡が起こっている。
夜の9時半で稽古を切る。と同時に部屋が暗くなった。音がパンパンと鳴り響く。事件だ。誰かが気が狂って乱射を始めたのだ、と思ったら・・・講師である七緒さんの「ハッピーバースデー」だ。そのまま劇場前の居酒屋へなだれ込む。明日の本番のために「無理はしなくてもいいよ。」と言っていたのに三分の二が集まって来た。狭い店が満杯状態になった。流山児さんの講座はここでもつづく。朝9時から夜12時まで15時間の労働基準無法地帯である。
5月13日(日)
快晴。今日は午後3時20分より発表会である。午前中より三班に分かれて通し稽古。午後1時半よりリハーサルである。その間、実行委員会のハル君はサンドイッチマン、私は白塗りメイクで劇場内で宣伝。丁度、演劇ホールは別の団体が使用中でそれの宣伝と間違えられ子どもたちから追われるハメになる。えーい、サービスだ。
今回の上演スタイルは和室ステージからロビー、玄関前の野外劇へと移動しながらシェークスピア「夏の夜の夢」の構成劇を見せることになった。リハーサル中に演劇ホールのイベント主催者の方から「うるさい。」というクレームがあり、コンサートホールホワイエでの上演に変更されたが、結果オーライ!面白い空間になった。演劇ホールのイベント主催者の方、申し訳ありませんでした。間に挟まれてしまった県劇スタッフの方にもご迷惑をおかけしました。そういうことを予想して頭を丸めてお詫び申しあげます。
トウマのギターと出演者全員の歌「星のフラメンコ」で始まる。
お客さんは先日より関係者でメールや電話で集まってきた。反応は上々。たったの二日間でここまで演れるとは!まず、それに驚かされていた。パワー全開である。
移動のきっかけは歌とオドリの「夜空の星」。気持ち良さそうに演っている。お客さんにも伝わっている。歌の力は凄い。
移動中にお客さんの数が膨れ上がる。何もわからないお客さんが流れに巻き込まれていく。二班はホワイエでおこない、シェークスピアを熊本弁でやる。
田舎の一座といった感じ。肥後にわかのようでもある。田中幸太がばってんコータに変わっていた。
ラスト場面は野外劇である。
身体ひとつが勝負である。集団が風景を作りかえる。風景が劇に引き寄せられる。
劇団きららのお二人の声が野外でよく響く。
熊大の学生も汗を飛ばしながら走り回っている。野外は体力だ。団塊世代の先生も若者に囲まれて楽しそうにステップを踏み続けていた。
終わり。
お客さんと共に和室に戻り車座になってのお茶会をする。時間が足らず自己紹介と感想で終わってしまった。
夜の最終便で流山児さん、七緒さんを送りに熊本空港へ行く。待ち時間はレストランで感想や今後のことについて話し合った。そうか、合宿でのワークショップか。流山児さんは野外劇の一本化を考えていた。熊本だけに止まらず九州を舞台に「演劇大学」の可能性を探る。まだ終わっちゃあいない。18日からの講座もある。まだまだ終わっちゃあいない。来年につなげる企画を考えなければ。